経済・金融用語集(482語)
レポートを読むときによく出てくる用語を、短い説明と例つきで集めました。印やメモを付けたい場合はアプリ版の用語集をご利用ください。
不動産・住宅
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス): 断熱と省エネ設備で消費エネルギーを減らし、太陽光発電などで作るエネルギーと合わせて、年間の収支をおおむねゼロにする住宅です。
- オフィス空室率: オフィスビルの貸し出せる床のうち、借り手が決まっていない部分の割合です。賃料や景気、企業の働き方の変化を映します。賃料の動きにも影響します。
- キャップレート: 不動産の年間の純収益を、その物件の価格で割った利回りです。収益物件の価値を見積もるときの目安として使います。金利水準とも密接に関わります。
- コンパクトシティ: 住宅や商業、医療、公共施設などを中心部や駅周辺に集め、公共交通で結んで、効率的に暮らせる街にする考え方です。人口減少への対応策とされます。
- タワーマンション: 一般に20階以上の超高層の分譲マンションを指す通称です。都心部の再開発とともに増え、資産性や管理面の課題が議論されます。
- マンションの修繕積立金: マンションの外壁や屋上防水などの大規模修繕に備え、所有者が毎月積み立てるお金です。管理組合が管理します。金額は長期修繕計画で見直されます。
- 不動産価格指数: 国土交通省が、実際の不動産取引価格をもとに、住宅や商業用不動産の価格の動きを指数にして毎月などに公表する統計です。地域別に見られます。
- 不動産取得税: 土地や建物を買ったり、建てたり、贈与でもらったりしたときに、一度だけ都道府県が課す地方税です。住宅には軽減の特例があります。
- 不動産投資信託(J-REIT): 多くの投資家から集めた資金でオフィスや商業施設、住宅などの不動産を運用し、賃料収入などを分配する、証券取引所に上場の商品です。
- 不動産登記: 土地や建物の所在、面積、所有者、抵当権などを法務局の登記簿に記録して公開する制度です。権利を第三者に主張する根拠になります。
- 不動産証券化: 不動産が生む賃料や売却益を裏づけに、証券を発行して多くの投資家から資金を集める仕組みです。J-REITや私募ファンドが代表例です。
- 住宅ローン減税: 住宅ローンを組んで住宅を買ったり建てたりした人に、年末のローン残高に応じて所得税などの負担を軽くする制度です。制度の内容は改正で変わります。
- 住宅宿泊事業(民泊): 住宅を活用して旅行者を宿泊させる事業で、住宅宿泊事業法により、届出と年間提供日数の上限などのルールが定められています。年180日が上限です。
- 借地借家法: 土地や建物を借りる人の権利を守るため、借地権と借家権について、契約の期間や更新、解約のルールを定めた法律です。民法の特別法にあたります。
- 公示地価: 国土交通省の土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点の全国の標準地の価格を判定し、例年3月下旬に公表するものです。土地取引の目安になります。
- 区分所有法: 分譲マンションのように、一つの建物を複数の人が部屋ごとに所有するときの、権利関係と管理のルールを定めた法律です。管理組合の運営の根拠でもあります。
- 固定資産税: 毎年1月1日時点の土地・家屋・償却資産の所有者に、市町村が課す税金です。東京23区では東京都が課税します。税額は評価額に税率をかけて決まります。
- 土地区画整理事業: 道路や公園などを整備しながら、土地所有者から少しずつ土地を提供してもらい、区画を整え直して宅地の価値を高める事業です。減歩と換地が特徴です。
- 基準地価: 都道府県が毎年7月1日時点の基準地の価格を調べ、例年9月下旬に公表する地価の調査結果です。公示地価を補う役割があります。
- 変動金利型住宅ローン: 市場の金利の動きに応じて、返済中の適用金利が見直される住宅ローンです。一般に短期の金利を基準にします。金利が上がると返済負担が増えるリスクがあります。
- 容積率: 敷地面積に対する、建物の延べ床面積の割合です。建物をどれだけ高く、大きく建てられるかを決める都市計画上の制限の一つです。
- 市街化区域と市街化調整区域: 都市計画法で、すでに市街地の区域と今後優先的に市街化する区域を市街化区域、市街化を抑える区域を市街化調整区域と分ける制度です。
- 市街地再開発事業: 老朽化した建物が密集する市街地で、土地を高度に利用し直して、新しいビルや広場に作り替える、都市再開発法にもとづく事業です。
- 建ぺい率: 敷地面積に対する、建築面積の割合です。敷地の中に空き地をどれだけ残すかを定め、採光や防火、風通しを確保します。防火や風通しを守る狙いがあります。
- 新設住宅着工戸数: 国土交通省の建築着工統計で、新しく工事が始まった住宅の戸数を月ごとにまとめた指標です。住宅市場と景気の先行きを映します。
- 用途地域: 都市計画法にもとづき、住居、商業、工業などの土地の使い方を地域ごとに分け、建てられる建物の種類や規模を定める制度です。地域ごとに規制が異なります。
- 省エネ基準適合義務: 建築物省エネ法により、新築の建物が一定の省エネ性能を満たすことを求める制度です。原則すべての新築に広がる流れです。段階的に対象が広がりました。
- 空き家問題: 人の住まない住宅が増え、倒壊や衛生、治安、景観の面で地域に悪影響を及ぼす問題です。人口減少や相続が背景にあります。管理の担い手がいないことも一因です。
- 路線価: 国税庁が、道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額として毎年示す価格です。相続税や贈与税の計算に使われます。例年7月に出ます。
- 都市計画税: 市街化区域内の土地や家屋の所有者に、市町村が課す目的税です。道路や公園、下水道など都市づくりの費用にあてられます。税率の上限は0.3%です。
- 重要事項説明: 不動産の売買や賃貸の契約が成立する前に、宅地建物取引士が、物件や取引条件の重要な内容を買主や借主に説明する手続きです。契約前に必ず行われます。
- 長期優良住宅: 耐久性、耐震性、省エネ性、維持管理のしやすさなどの基準を満たし、長く使える住宅として自治体が認定する制度です。税制の優遇もあります。
企業・産業
- EBITDA: 利払い・税金・減価償却費を引く前の利益。企業の稼ぐ力を国際比較しやすくした指標。
- ESG: 環境(E)・社会(S)・企業統治(G)の3要素。企業の持続可能性を評価する観点として使われる。
- M&A(合併・買収): 企業同士の合併や、企業・事業の買収を指す総称。成長や再編の手段として使われる。
- PBR(株価純資産倍率): 株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標。1倍が一つの目安とされる。
- PER(株価収益率): 株価が1株あたり利益の何倍かを示す指標。株価の割高・割安を見る目安。
- ROE(自己資本利益率): 株主の資金(自己資本)でどれだけ利益を上げたかを示す指標。経営効率の目安。
- TCFD(気候関連財務情報開示): 気候変動が企業の財務に与えるリスクと機会を、開示するための国際的な枠組み。
- アウトソーシング: 自社の業務の一部を、外部の専門企業に委託して任せること。コスト面の効果が期待される。
- オープンイノベーション: 自社だけでなく外部の企業や大学などと連携して、新しい技術や事業を生み出す手法。
- グリーンウォッシュ: 実際以上に環境に配慮しているように見せかける、誤解を招く表示や宣伝。
- コーポレートガバナンス: 企業が株主など関係者の利益を守りつつ、適切に経営される仕組みや統治のあり方。
- サイバーセキュリティ: 不正アクセスやウイルス、情報漏えいなどから情報システムやデータを守る取り組み。
- サステナビリティ: 環境や社会、経済が長期にわたり持続できるようにする考え方。企業経営にも取り入れられる。
- サプライチェーン: 原材料の調達から生産、物流、販売まで製品が消費者に届くまでの一連の流れ。
- スタートアップ: 革新的な技術やビジネスモデルで急成長を目指す、創業間もない企業。
- セグメント情報: 事業や地域など区分ごとの売上・利益を示した情報。どこで稼いでいるかが分かる。
- デジタルトランスフォーメーション(DX): デジタル技術で業務や事業モデル、組織のあり方を変えて競争力を高める取り組み。
- のれん(営業権): 企業買収の際、買収額が時価純資産を上回った差額として計上される無形の資産。
- フリーキャッシュフロー(FCF): 営業活動で得た現金から投資に使った現金を引いた、自由に使える資金の目安。
- マネジメント・バイアウト(MBO): 経営陣が自社の株式を買い取り、経営権を握る手法。非上場化を伴うことも多い。
- 事業ポートフォリオ: 企業が抱える複数の事業の組み合わせ。収益性や成長性を見て配分を見直す。
- 事業再編: 事業の売却・統合・分離などで、会社の事業構成や組織を組み替えること。
- 事業承継: 経営者が会社の経営や資産を、親族・従業員・第三者などの後継者に引き継ぐこと。
- 企業倒産: 企業が債務を返せなくなり、事業の継続が難しくなって法的手続きなどに入ること。
- 価格転嫁: 原材料費や人件費の上昇分を、販売価格に上乗せして取引先や消費者に負担してもらうこと。
- 内部留保: 企業が稼いだ利益のうち、配当などで外部に出さず社内に蓄えた分。
- 取締役会: 取締役で構成され、会社の重要な業務執行の決定や取締役の職務の監督を行う機関。
- 営業利益: 本業の稼ぐ力を示す利益。売上総利益から販売費・一般管理費を引いて求める。
- 投下資本利益率(ROIC): 事業に投じた資本全体に対し、どれだけ本業の利益を得たかを示す指標。
- 新規株式公開(IPO): 未上場の企業が株式を証券取引所に上場し、広く投資家が売買できるようにすること。
- 時価総額: 株価に発行済株式数を掛けた値。市場が評価する企業の価値の大きさを表す。
- 株主総会: 株主が会社の重要事項(取締役の選任や配当など)を議決する、株式会社の最高意思決定機関。
- 株主還元: 企業が稼いだ利益を、配当や自社株買いなどの形で株主に返すこと。
- 株式公開買付け(TOB): 買付価格や期間を公告し、市場外で不特定多数の株主から株式を買い集める手法。
- 業績予想の修正: 企業が期初に出した売上や利益の見通しを、実績の動きに合わせて上方・下方に改めること。
- 決算短信: 上場会社が決算内容を速報としてまとめる資料。業績や次期予想などが載る。
- 減損損失: 資産の収益性が下がり、帳簿価額を回収できないと判断されたときに計上する損失。
- 生成AI: 文章や画像などを新たに作り出す人工知能。業務効率化や新サービスへの活用が進む。
- 社債: 企業が資金調達のために発行する債券。利子を支払い、満期に元本を返す約束をする。
- 第三者委員会: 不祥事などの際、企業から独立した外部の専門家が事実関係や原因を調べる委員会。
- 純利益(当期純利益): 最終的に会社に残る利益。営業利益から営業外損益、特別損益、税金などを調整して求める。
- 経営コンサルティング: 企業の経営課題に対し、外部の専門家が分析や助言、実行支援を行うサービス。
- 経常利益: 営業利益に利息や配当などの営業外損益を加減した、通常の事業活動による利益。
- 脱炭素(カーボンニュートラル): 温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにする考え方。企業にも対応が求められる。
- 自己資本利益率(ROE): 株主のお金(自己資本)でどれだけ利益を上げたかを示す指標。当期純利益÷自己資本で求める。
- 自社株買い: 企業が自社の発行済み株式を市場などから買い戻すこと。株主還元策の一つ。
- 設備投資: 企業が機械や工場、ソフトウェアなど事業のための資産を新たに購入する支出。
- 連結決算: 親会社と子会社などをひとつの企業グループとみなして作る決算。
- 配当性向: 当期純利益のうち、配当に回した割合。株主還元の姿勢を測る目安。
労働・社会
- ベースアップ: 賃金表そのものを引き上げる賃上げ。基本給の水準が全体として上がる。
- リスキリング: 新しい職務や変化する仕事に対応するため、必要な技能を学び直すこと。
- 人口減少: 死亡数が出生数を上回り、総人口が減っていくこと。
- 人手不足: 企業が必要とする働き手を確保できない状態。賃金上昇や事業縮小につながる。
- 人的資本: 教育や訓練、経験により個人が身につけた知識や技能を、経済的な資本とみなす考え方。
- 働き方改革: 長時間労働の是正や多様な働き方の実現を目指す政策や取り組みの総称。
- 労働力人口: 15歳以上で、働いている人と仕事を探している人を合わせた人数。
- 労働生産性: 働く人1人(または1時間)あたりが生み出す付加価値の大きさ。
- 医療費: 病気やけがの診療などにかかる費用。公的保険や自己負担で賄われる。
- 名目賃金: 物価の変動を調整していない、実際に支払われる金額としての賃金。
- 定期昇給: 年齢や勤続年数、評価に応じて毎年賃金が上がる仕組み。賃金表自体は変わらない。
- 実質賃金: 名目の賃金を物価の変動で調整した、賃金で実際に買える量を表す指標。
- 少子高齢化: 子どもの数が減る少子化と、高齢者の割合が高まる高齢化が同時に進む現象。
- 年金: 高齢や障害、死亡の際に生活を支えるため、定期的に支給される公的な給付。
- 春闘: 毎年春に労働組合が経営側と賃上げなどの待遇改善を交渉する日本の慣行。
- 最低賃金: 法律で定められた、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の下限(時給)。
- 社会保障: 病気や老齢、失業などのリスクに備え、年金・医療・介護・福祉などで生活を支える制度。
- 賃上げ: 労働者の賃金を引き上げること。ベースアップや定期昇給などを含む総称として使われる。
- 非正規雇用: パート、アルバイト、契約社員、派遣など、正社員以外の雇用形態の総称。
家計・生活
- エンゲル係数: 家計の消費支出のうち、食料費が占める割合です。一般に、この割合が高いほど、暮らしの余裕が小さい傾向にあると考えられています。
- クーリング・オフ: 訪問販売などで結んだ契約を、一定の期間内であれば、理由を問わず無条件で解除できる制度です。対象の取引と期間は法律で決まっています。
- ポイント経済圏: 共通のポイントを軸に、買い物、決済、通信、金融などのサービスを一つの企業グループで囲い込む仕組みや、その経済圏のことです。
- ライフプラン: 結婚、出産、住宅、教育、老後といった人生の出来事を見通して、収入や支出、貯蓄の計画を長期的な視点で立てることです。家計の土台になります。
- リバースモーゲージ: 自宅を担保にして、生きている間は借入金の返済を利息のみ(または返済なし)とし、亡くなった後などに自宅の売却等で元本を返す仕組みです。
- 介護保険: 高齢者などの介護にかかる費用を、社会全体で支える公的保険制度です。2000年に始まり、介護サービスを受ける際の費用を支える仕組みです。
- 個人型確定拠出年金(iDeCo): 自分で掛金を出して運用し、その結果で将来の受取額が決まる私的年金の制度です。掛金や運用益に税制上の優遇措置が設けられています。
- 傷病手当金: 会社員などが、病気やけがで仕事を休み、給料が受けられないときに、健康保険から支給される手当で、生活費を補う目的があります。
- 児童手当: 子どもを育てる家庭の経済的な負担を和らげるために、国が支給する手当です。対象となる年齢や金額は、これまで制度の改正で変わってきました。
- 労災保険: 仕事や通勤が原因のけが、病気、障害、死亡に対して給付を行う、労働者のための公的保険です。保険料は原則として事業主が負担します。
- 医療費控除: 1年間に払った医療費が一定額を超えたとき、確定申告で所得から差し引ける所得控除の一つで、税の負担を軽くする効果があります。
- 可処分所得: 収入から、所得税や住民税、社会保険料などの税・保険料を差し引いた、自由に使える所得のことです。給与明細の手取りに近い概念です。
- 国民健康保険: 自営業者や退職した人、非正規で働く人などが主に加入する、市区町村などが運営する公的医療保険で、職場の保険に入っていない人を支えます。
- 国民年金と厚生年金: 日本の公的年金の2つの柱です。国民年金は原則として全国民が加入し、厚生年金は会社員や公務員などが上乗せして加入する仕組みです。
- 国民皆保険: すべての国民が、何らかの公的医療保険に加入し、必要な医療を受けられるようにする仕組みです。日本では1961年に実現しました。
- 奨学金: 大学などで学ぶための費用を支援する仕組みです。日本では、返済が必要な貸与型が広く使われ、卒業後の返済が家計の大きな課題になります。
- 家計の金融資産: 家計が保有する、現金や預金、株式、投資信託、保険・年金などの金融資産の合計です。日本では現金・預金の割合が高いとされます。
- 家計調査: 総務省統計局が、世帯の収入や支出、貯蓄などを継続的に調べる統計調査です。消費の動きや暮らしぶりを知る手がかりになります。
- 平均消費性向: 可処分所得のうち、消費に使われた割合です。所得をどれだけ使ったかを表し、貯蓄率とは表裏の関係にあり、消費行動を見る目安になります。
- 年収の壁: パートなどで働く人の収入が一定額を超えると、税や社会保険料の負担が生じ、手取りが減ったり扶養から外れたりする境目のことです。
- 年金の繰り下げ受給: 老齢年金を受け取り始める時期を、原則の開始年齢より遅らせる仕組みです。遅らせた期間に応じて、年金額が増える設計になっています。
- 幼児教育・保育の無償化: 3歳から5歳までの幼稚園や保育所などの利用料を、国と自治体が負担する仕組みです。対象は施設の種類などで異なります。2019年10月に始まりました。
- 後期高齢者医療制度: 75歳以上などの高齢者が加入する、独立した公的医療保険の制度です。都道府県ごとの広域連合が運営しており、高齢者の医療を支えます。
- 扶養控除: 所得税や住民税の計算で、配偶者や子など養っている親族がいる場合に、納税者の所得から一定額を差し引き、税の負担を軽くできる仕組みです。
- 教育費: 子どもの教育にかかる費用の総称です。学校に払う費用のほか、塾や習い事、通学の費用なども含まれ、家計の大きな支出になります。
- 消費者契約法: 消費者と事業者の間の契約について、消費者を守るための民事のルールを定めた法律です。不当な勧誘や不当な条項を取り消したり、無効にしたりできます。
- 生活保護: 生活に困っている人に、最低限度の生活を保障し、自立を助けるための国の制度です。生活保護法に基づいて、国と自治体が運営します。
- 緊急予備資金: 失業、病気、災害など、思いがけない出来事に備えて、すぐ使えるように取っておく現金や預金のことで、生活の安全網の役割を果たします。
- 老後2000万円問題: 2019年に金融庁の報告書をきっかけに広まった議論で、老後の生活に公的年金だけでは不足が生じる、と受け止められた問題です。
- 貯蓄率: 所得のうち、消費に回らず貯蓄された割合を指します。家計の貯蓄率は、可処分所得に対する貯蓄の比率で示されることが多いです。
- 雇用保険: 失業したときの生活を支える給付や、再就職・育児休業などを支援する、国が運営する公的保険制度で、働く人の生活と就業を支えます。
- 高額療養費制度: 1か月に病院などで払った医療費の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される公的医療保険の制度で、家計の急な出費を和らげます。
法律・制度
- インサイダー取引: 未公表の重要な企業情報を知る者が、その情報を使って株式などを売買する行為。
- コーポレートガバナンス・コード: 上場会社が守る・説明すべき企業統治の原則集。守らない場合は理由を説明する方式。
- コンプライアンス: 法令だけでなく社内規程や社会的な規範を守って事業を行うこと。
- サステナビリティ基準: 企業が環境・社会面の課題やリスクを開示する際に使う、共通の国際的な基準。
- スチュワードシップ・コード: 機関投資家が投資先企業と対話し、中長期的な企業価値向上を促すための行動原則。
- ペイオフ: 破綻した金融機関の預金者に、預金保険から保険金を直接支払う制度。
- マクロ経済スライド: 現役世代の減少や平均余命の延びに応じて、年金給付の伸びを自動的に抑える仕組み。
- 下請法: 親事業者が下請事業者に対し、代金の減額や支払遅延などの不当な扱いをするのを防ぐ法律。
- 人的資本開示: 従業員の育成、多様性、報酬、エンゲージメントなど人材に関する情報を投資家に示すこと。
- 会社法: 株式会社などの設立、機関、株式、組織再編など会社の基本的な仕組みを定めた法律。
- 個人情報保護法: 個人情報を取り扱う事業者に、利用目的の特定や安全管理などを義務づける法律。
- 内部統制: 不正やミスを防ぎ、財務報告の信頼性を保つために企業が整える社内の仕組み。
- 同一労働同一賃金: 同じ仕事内容なら、雇用形態にかかわらず不合理な待遇差を設けないという考え方。
- 有価証券報告書: 上場会社などが事業年度ごとに提出する、財務や事業内容、リスクなどを詳しく記した報告書。
- 独占禁止法: 公正で自由な競争を守るため、カルテルや不当な取引制限、企業結合などを規制する法律。
- 知的財産権: 特許・商標・著作権など、発明や創作物に与えられる権利の総称。
- 粉飾決算: 業績や財務状況を実際より良く見せるため、会計数値を意図的に偽って決算を作ること。
- 自己資本比率規制(バーゼル規制): 国際的に活動する銀行に、一定以上の自己資本の保有を求める国際的な規制の枠組み。
- 適時開示: 上場会社が投資判断に重要な情報を、取引所のルールに沿って速やかに公表する制度。
- 金融商品取引法: 株式や債券などの取引ルールや企業の情報開示、不公正取引の禁止を定めた法律。
- 預金保険制度: 金融機関が破綻した時に、預金者の預金を一定額まで保護する公的な仕組み。
為替・国際
- FX(外国為替証拠金取引): 証拠金を預け、その何倍もの金額の外貨を売買して為替の差益を狙う取引。
- インバウンド: 外国人が日本を訪れる旅行、またはその需要。訪日外国人旅行を指す。
- キャリートレード: 金利の低い通貨で借り、金利の高い通貨で運用して金利差を得る取引。
- サービス収支: 旅行、輸送、知的財産の使用料など、モノ以外の海外との取引の収支。
- ドル円: 米ドルと日本円の交換比率。1ドルが何円かで表し、日本で最も注目される為替レート。
- 円安: 円の価値が他の通貨に対して下がること。同じ外貨を買うのに、より多くの円が必要になる。
- 円高: 円の価値が他の通貨に対して上がること。同じ外貨を少ない円で買えるようになる。
- 固定相場制: 為替レートを一定の水準に固定、または厳しく管理する制度。
- 国際通貨基金(IMF): 国際金融の安定を目的とし、加盟国の経済監視や資金支援を行う国際機関。
- 基軸通貨: 国際取引や外貨準備で広く使われる中心的な通貨。現在は米ドルが代表的。
- 変動相場制: 為替レートを、外国為替市場での需要と供給に応じて自由に決めさせる制度。
- 外貨準備: 政府や中央銀行が保有する外貨建ての資産。為替介入や対外支払いの備えに使う。
- 実質実効為替レート: 多数の貿易相手国の通貨との為替レートを貿易量で加重平均し、物価差も調整した指数。
- 日米金利差: 日本と米国の金利の差。投資家の資金が金利の高い方へ向かいやすく、為替に影響する。
- 為替予約: 将来の決まった日に、決まったレートで外貨を売買する約束を事前に結ぶ取引。
- 為替介入: 政府が通貨の急激な変動を抑えるため、為替市場で自国通貨や外貨を売買すること。
- 第一次所得収支: 海外への投資から得る配当・利子と、海外へ支払うそれとの差。経常収支の一部。
- 経常収支: 貿易、サービス、海外からの所得などを合わせた、一国の対外的なお金の出入りの総括。
- 自由貿易協定(FTA): 特定の国や地域の間で関税などの貿易障壁を撤廃・削減する取り決め。
- 貿易収支: モノの輸出額から輸入額を引いた差。プラスなら黒字、マイナスなら赤字。
- 購買力平価: 同じ商品が各国で同じ価格になるよう決まるとする為替レートの考え方。
- 関税: 輸入品にかけられる税。国内産業の保護や税収確保などを目的とする。
物価・景気
- GDPギャップ: 実際のGDPと、経済の潜在的な供給力で達成できるGDPとの差。需給の過不足を示す。
- インフレーション: 物価が持続的に上がり、お金の価値が下がっていく現象。
- コストプッシュ・インフレ: 原材料費や人件費などのコスト上昇が価格に転嫁されて起きる物価上昇。
- スタグフレーション: 景気の停滞と物価の上昇が同時に起きる状態。金融政策が難しい局面になる。
- ステルス値上げ: 価格は据え置きながら、内容量を減らして実質的に値上げすること。
- ディスインフレ: 物価は上がり続けているが、その上昇率が鈍化していく状態。物価が下がるデフレとは別。
- ディマンドプル・インフレ: 需要が供給を上回ることで起きる物価上昇。景気が良い時に見られる。
- デフレーション: 物価が持続的に下がる現象。企業収益や賃金が伸びにくく、景気停滞を招きやすい。
- デフレ脱却: 物価が下がり続ける状況から抜け出し、再び下落に戻る見込みがない状態にすること。
- 個人消費: 家計が行う財・サービスへの支出。GDPの半分ほどを占める最大の需要項目。
- 内需と外需: 内需は国内の消費や投資など国内での需要、外需は輸出から輸入を引いた海外からの需要。
- 在庫循環: 在庫の増減が景気とともに繰り返される現象。生産・出荷・在庫の関係から局面を判断する。
- 在庫投資: 企業が保有する在庫の増減。GDPの成長率に寄与度として表れる。
- 景気後退(リセッション): 景気が全体的に悪化し、生産や雇用が落ち込む局面。
- 景気循環: 景気が好況と不況を繰り返す周期的な変動。
- 期待インフレ率: 家計や企業が将来の物価上昇率をどの程度と予想しているか。実際の物価や賃金交渉に影響する。
- 潜在成長率: 労働力や資本、技術を無理なく使った場合に、経済が持続的に達成できる成長率。
- 輸入物価: 輸入される商品の価格。為替や国際商品市況の影響を直接受ける。
- 需給ギャップ: 経済全体の需要と供給力の差。需要が下回れば物価の下押し、上回れば上昇圧力となる。
税・会計
- IFRS(国際財務報告基準): 国際会計基準審議会(IASB)が策定する会計基準で、世界の多くの国と地域で、上場企業の決算書を作るときに使われています。
- インボイス制度: 消費税の仕入税額控除を受けるために、登録を受けた事業者が発行する適格請求書の保存を求める制度で、2023年10月に始まりました。
- キャッシュフロー計算書: 一定期間における現金及び現金同等物の出入りを、営業・投資・財務という三つの活動に分けて示す財務諸表で、資金繰りの実態を映します。
- キャピタルゲイン課税: 株式や不動産などを売って得た、買った値段を上回る値上がり益(譲渡益)に対してかかる税金の総称で、売却して初めて対象になります。
- グローバル・ミニマム課税: 大規模な多国籍企業に、どの国で稼いでも最低15%の法人税負担を求める、国際的な合意にもとづく課税のルールで、税率競争の歯止め役です。
- タックスヘイブン: 法人や個人の所得にほとんど課税しない国や地域で、企業や富裕層が税の負担を減らす目的で利用することがあり、国際的な対策が進んでいます。
- デジタル課税: 海外から国境を越えてサービスを提供する巨大IT企業にも、利用者のいる国が課税できるようにする、国際的な課税の考え方です。
- ふるさと納税: 自分が選んだ自治体に寄附をすると、控除の上限の範囲内で、寄附額のうち2000円を超えた分が税から控除される、寄附金を使った制度です。
- 会計監査: 企業の財務諸表が、会計基準に従って適正に作られているかを、独立した第三者が確かめ、その結果を意見として述べる手続きです。
- 住民税: 住んでいる都道府県と市区町村に納める地方税で、前年の所得などをもとに計算され、地域の行政サービスの費用に充てられる税の総称です。
- 引当金: 将来に発生しそうな費用や損失を、その原因が生じた期のうちに見積もって、あらかじめ決算書に計上しておく項目で、貸倒引当金などがあります。
- 所得控除と税額控除: 所得控除は税のかかる所得を減らす仕組み、税額控除は計算された税額そのものから差し引く仕組みで、税を軽くする方法が異なります。
- 損益分岐点: 売上高と費用の合計が等しくなり、利益も損失も出なくなる売上の水準のことで、事業の採算ラインを示す指標として広く使われます。
- 損益計算書: 一定の期間に、企業がどれだけ売り上げ、どんな費用を使い、結果として利益がいくら残ったかを段階的に示す財務諸表で、経営成績を表します。
- 日本基準: 企業会計基準委員会(ASBJ)などが定める、日本国内の企業が決算書を作るときに従う会計ルールの総称で、IFRSなどと並んで選択肢の一つです。
- 時価会計: 保有する金融商品などを、取得したときの価額ではなく、決算時点の時価で評価して決算書に反映する会計の考え方で、金融機関で重要です。
- 棚卸資産: 販売する目的で持っている商品・製品や、その材料・製造途中の仕掛品など、いわゆる在庫を会計上まとめた呼び名で、貸借対照表では資産に載ります。
- 法人税の実効税率: 法人税のほか、地方法人税・住民税・事業税などを合わせて、企業の利益に実際にかかる税の負担割合を見たもので、国際比較にも使われます。
- 減価償却: 建物や機械など長く使う資産の取得費用を、使える期間にわたって少しずつ配分し、毎年の費用として計上する会計処理で、現金支出は伴いません。
- 源泉徴収: 給与や報酬を支払う側が、あらかじめ所得税を差し引き、本人に代わって国に納める仕組みで、会社員の給与などで広く使われます。
- 発生主義と現金主義: 収益や費用を、取引の事実が起きた時点で記録するのが発生主義、現金を受け払いした時点で記録するのが現金主義で、企業会計は原則前者です。
- 監査法人: 公認会計士が共同で設立し、企業の決算書が適正に作られているかを、会社から独立した立場で確かめる専門の法人で、上場企業の監査も担います。
- 直接税と間接税: 税を負担する人と納める人が同じ税を直接税、異なる税を間接税とする、税の代表的な分類のしかたで、税制の議論でよく使われます。
- 相続税: 亡くなった人から財産を受け継いだ人に対し、取得した財産の価額に応じて課される国税で、遺産に対する課税の代表格として知られています。
- 確定申告: 1年間の所得と税額を自分で計算して税務署に申告し、不足分を納めたり、納め過ぎた税の還付を受けたりする手続きで、個人事業主などに必要です。
- 移転価格税制: 海外の関連会社との取引価格を操作して利益を移すことを防ぐため、独立した企業どうしの取引価格で課税し直す制度で、国際課税の基本です。
- 簿記: お金や物の動きを、一定のルールで帳簿に記録し、財産の状態や損益を明らかにする、会計の基本となる技術で、決算書を作る土台になります。
- 継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン): 企業が将来にわたって事業を続けることを前提に決算書を作る会計の考え方で、成り立つか重要な疑義があれば注記で開示されます。
- 繰延税金資産: 会計上の利益と税務上の所得にずれがあるとき、将来の税金を減らす効果が見込める分を、資産として計上する項目で、税効果会計に由来します。
- 貸借対照表(バランスシート): 決算日の時点で、企業がどんな資産を持ち、その資金を負債と純資産のどちらで賄っているかを左右に並べて示す財務諸表で、企業の財政状態を表します。
- 贈与税: 生きている間に財産をもらった人に課される国税で、相続税の負担を避ける生前の財産移転を抑える役割を持ち、受け取る側が納税義務を負います。
- 配当課税: 株式の配当金や、投資信託の分配金など、投資から得られる収益の配当にかかる税の取り扱いをまとめた呼び方で、課税方法を選べる場合もあります。
経済学の基礎
- IS-LMモデル: 財・サービス市場と貨幣市場の均衡を同時に考えて、利子率と国民所得の決まり方を示す、マクロ経済学の基本的なモデルです。ヒックスが整理しました。
- ケインズ経済学: 不況の主な原因を総需要の不足とみて、景気を支えるために政府が財政支出や減税で需要を補うことを重視する、経済学の考え方です。
- ゲーム理論: 複数の主体が互いの行動を読み合いながら意思決定をする状況を、数理的に分析する理論です。企業の競争や交渉などに応用されます。
- コースの定理: 取引にかかる費用が小さく、権利がはっきりしていれば、外部性の問題は当事者の交渉で効率的に解決できるとする考え方です。ロナルド・コースにちなみます。
- サンクコスト(埋没費用): すでに支払ってしまい、どの選択をしても取り戻せない費用のことです。将来の判断では、考慮に入れないのが原則とされています。
- ゼロ金利制約: 現金が存在することなどから、政策金利を大きくマイナスにはしにくいため、利下げの余地が尽きてしまうという制約のことです。金融緩和の限界として語られます。
- ソロー・モデル: 資本の蓄積、労働力の増加、技術進歩によって長期の経済成長を説明する、新古典派の代表的な成長理論のモデルです。1950年代に示されました。
- テイラー・ルール: 物価上昇率と景気の過熱度に応じて、中央銀行が政策金利をどのように決めるべきかを示す、簡単な目安となる式のことです。1993年に提案されました。
- ナッジ: 選択肢を禁じたり報酬を大きく変えたりせず、選び方の設計を工夫して、人が望ましい行動をとりやすくするしかけをいいます。行動経済学の応用例です。
- ナッシュ均衡: 他のプレイヤーが今の戦略を変えないとき、どのプレイヤーも自分だけ戦略を変えて得をすることがない、という状態をいいます。ゲーム理論の中心概念です。
- ピグー税: 外部性による社会的な損害の大きさに応じて課す税で、本来の費用を価格に反映させ、行動を望ましい方向に促すためのものです。環境税の理論的な背景です。
- ヒステリシス(履歴効果): 景気後退などの一時的なショックの影響が、ショックが去ったあとも残り、経済の水準が元に戻らなくなる現象のことです。失業の長期化で議論されます。
- フィリップス曲線: 失業率と物価上昇率(または賃金上昇率)の間に、一方が高いと他方が低くなるという逆の関係があることを示す、右下がりの曲線です。
- フリーライダー: 費用を負担せずに、他の人が支払ったおかげで生じる利益だけを受け取る人のことです。公共財の供給が不足する原因になります。ただ乗りとも呼ばれます。
- プロスペクト理論: 人は利益と損失を、基準点からの変化として受け止め、同じ大きさなら損失のほうを強く感じるとする、意思決定の理論です。行動経済学の中心的な理論です。
- マネタリズム: 物価や景気の動きにとって貨幣量が重要だと考え、裁量的な景気調整よりも、ルールに沿った貨幣供給の運営を重んじる経済学の立場です。
- マンデル・フレミング・モデル: 資本が国境を越えて自由に動く開放経済で、為替制度によって財政政策と金融政策の効果がどう変わるかを示すモデルです。1960年代に示されました。
- モラルハザード: リスクが保険などで守られると、取引の後で当事者が注意を怠り、損失の起こりやすい行動をとってしまう現象をいいます。契約の後に起こる問題です。
- ライフサイクル仮説: 人々は生涯の所得を見通し、若い時は借り入れ、働く時期に貯蓄し、老後に取り崩して、消費を一生を通じてならそうとする仮説です。
- リカードの等価定理: 政府が国債で資金を調達しても、人々が将来の増税を見込んで貯蓄を増やせば、減税による景気刺激の効果は打ち消されるという考え方です。
- ルーカス批判: 過去のデータから推定した関係は、政策が変わると人々の行動も変わるため、新しい政策の効果の予測には使えないという指摘です。
- 代替財と補完財: 代替財は互いに代わりになる財、補完財は一緒に使うことで価値が高まる財のことです。一方の価格変化が他方の需要に影響します。
- 供給サイド経済学: 減税や規制緩和によって働く意欲や投資を高め、生産能力を伸ばすことで経済成長を促そうとする、供給面を重視する考え方です。1980年代に注目されました。
- 供給曲線: ある財の価格と、売り手が売ろうとする量との関係を表した曲線です。通常は価格が高いほど供給量が増え、右上がりの形になります。
- 価格弾力性: 価格が1%変わったとき、需要量(または供給量)が何%変わるかを示す指標です。値段の変化に対する反応の大きさを表します。単位は百分率です。
- 債務デフレ: 物価の下落で借金の実質的な負担が重くなり、返済のための資産売却が進んで、さらに物価が下がるという悪循環を指す理論です。フィッシャーが論じました。
- 公共財: 対価を払わない人を利用から排除しにくく、誰かが使っても他の人の利用が減らない性質をもつ財やサービスのことです。国防や灯台が例です。
- 内生的成長理論: 技術進歩や知識の蓄積が経済の内側の要因で生まれると考え、教育や研究開発への投資が長期の成長を左右すると説く理論です。1980年代に発展しました。
- 古典派経済学: 価格や賃金の調整によって資源が効率よく配分されると考え、政府の介入は小さくてよいとする、アダム・スミス以来の経済学の系譜です。
- 合理的期待: 人々は将来の物価などを、使える情報と経済の仕組みを踏まえて予想し、平均的には系統的な間違いをしないと考える仮説です。1970年代に広まりました。
- 囚人のジレンマ: 各人が自分の利益を考えて行動すると、協力した場合より全員にとって悪い結果になってしまう状況を表した、有名なゲームです。協力の難しさを示します。
- 均衡価格: 市場で需要量と供給量が一致する価格のことです。この水準では売れ残りも品不足も生じにくく、価格を動かす力が働かなくなります。
- 外部性: ある人の経済活動が、市場での取引を通さずに、ほかの人へ利益や損害を及ぼすことです。損害の場合は負の外部性、利益の場合は正の外部性といいます。
- 完全競争市場: 売り手も買い手も多数で、誰も価格を左右できず、同質な財が自由に取引される、経済学の理想的な市場のモデルです。現実の市場の比較基準になります。
- 実物的景気循環理論(RBC理論): 景気の変動を、技術などの実物的なショックに人々が合理的に反応した結果として説明する、新しい古典派に属する理論です。1982年に提案されました。
- 寡占: 少数の大企業が市場の大部分を占めている状態です。各社が互いの出方を意識して価格や生産量を決める点が特徴とされます。競争と協調の両面が生じます。
- 市場の失敗: 市場に任せるだけでは、資源の配分が社会にとって望ましい状態にならないことをいいます。外部性や公共財などが原因となります。
- 恒常所得仮説: 人々は一時的な所得の変動ではなく、長期的に安定して得られる所得の水準に応じて消費を決めるとする、消費についての仮説です。
- 情報の非対称性: 取引の当事者の間で、持っている情報の量や質に差があることをいいます。そのため、市場の働きがゆがむことがあります。保険や中古品で目立ちます。
- 損失回避: 同じ大きさの利益と損失を比べると、損失のほうを強く感じ、損をすることを避けようとする人の心理的な傾向のことです。行動経済学の基本概念です。
- 時間的不整合: ある時点で最適と考えた計画が、時間が経つと最適でなくなるため、事前の約束を守る信頼が得られにくくなるという問題です。中央銀行の独立性の根拠となります。
- 有効需要の原理: 生産量や雇用の水準は、実際に購買力の裏付けをもつ需要の大きさによって決まるという、ケインズの経済学の中心的な考え方です。
- 構造改革: 規制や制度を見直して、経済の効率や成長力を高めようとする政策の総称で、需要ではなく供給側の改善を主な狙いとします。効果が出るまで時間がかかります。
- 機会費用: ある選択をしたために、あきらめたほかの選択肢のうち、最も価値の高いものから得られたはずの利益を、機会費用と呼びます。見えにくい費用です。
- 正常財と劣等財: 所得が増えると需要が増える財を正常財、反対に需要が減る財を劣等財と呼びます。品質の優劣を意味する言葉ではありません。所得弾力性で整理されます。
- 比較優位: 他の財の生産をあきらめる費用(機会費用)が相対的に小さい財を得意とする考え方で、貿易の利益を説明する土台になります。リカードが示しました。
- 流動性の罠: 金利がきわめて低い状態で、資金を増やしても人々が使わずに手元に置くため、金融緩和の効果が出にくくなる状況を指します。ケインズが論じました。
- 消費者余剰: 消費者が「このくらいまで払ってもよい」と考える金額から、実際に支払った金額を引いた差のことで、買い手の得をとらえる指標です。
- 独占: ある市場で、売り手が1社だけの状態をいいます。競争相手がいないため、価格を高めに設定しやすく、数量が少なくなりがちです。
- 生産者余剰: 売り手が受け取った価格から、その商品を供給するのに最低限必要だった費用を差し引いた額で、売り手側の得を表す指標です。利益とは少し異なります。
- 節約のパラドックス: 個々人が貯蓄を増やそうとして消費を減らすと、経済全体では所得が減り、かえって全体の貯蓄が増えなくなるという逆説です。合成の誤謬の一例です。
- 総需要・総供給分析(AD-ASモデル): 物価水準と生産量の関係を、総需要曲線と総供給曲線の交点で捉え、景気変動と物価の動きを説明する、マクロ経済学の基本モデルです。
- 自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー): 政府が新たに決定しなくても、景気に応じて税収や給付が自動的に増減し、景気の振れを和らげてくれる財政の仕組みのことです。累進課税や失業給付が代表例です。
- 自然失業率: 物価上昇率が加速も減速もしない状態で成り立つとされる失業率で、景気の波とは別に、労働市場の構造から決まる水準を指します。
- 行動経済学: 人は常に合理的とは限らないという前提で、心理学の知見を取り入れて、実際の意思決定や市場の動きを分析する経済学の分野です。
- 規模の経済: 生産量が増えるほど、製品1つあたりの平均費用が下がっていく性質のことです。大企業が有利になる理由の一つとされています。固定費の分散が主な理由です。
- 貨幣の中立性: 貨幣量が変わっても、長期的には物価などの名目の値が変わるだけで、生産や雇用などの実質の値は変わらないという考え方です。主に長期について成り立つとされます。
- 貨幣数量説: 貨幣量が増えれば、長期的には物価水準もそれに比例して上がると考える、貨幣と物価の関係についての古くからの学説です。主に長期の関係を表します。
- 逆選択: 取引の前に品質やリスクの情報が相手に分からないため、条件の悪い相手ばかりが集まりやすくなる現象のことをいいます。契約の前に起こる問題です。
- 長期停滞論: 需要の不足や有望な投資機会の減少により、低成長と低金利が長く続く状態に陥っているとする、先進国の経済についての見方です。
- 限界効用: 財を1単位追加で消費したときに増える満足の大きさです。消費量が増えるほど、追加で得られる満足は小さくなると考えられます。
- 限界費用: 生産量を1単位増やしたときに、追加でかかる費用のことです。企業の生産量や価格の決定を考えるうえで、中心になる概念です。供給曲線の背景にもなります。
- 需要曲線: ある財の価格と、買い手が買おうとする量との関係を表した曲線です。通常は価格が下がるほど需要量が増え、右下がりになります。
統計・指標
- GDP(国内総生産): 一定期間に国内で新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計。経済の規模を表す代表的な指標。
- PMI(購買担当者景気指数): 企業の購買担当者への調査から作る景況感の指数。50が景気拡大と縮小の分かれ目とされる。
- VIX指数: 米国株の先行きの変動に対する市場の予想を数値化した指数。「恐怖指数」とも呼ばれる。
- コアCPI: 生鮮食品を除いた消費者物価指数。天候で振れやすい生鮮の影響を除き、基調を見る。
- コアコアCPI: 生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数。物価の基調的な動きを見るために使う。
- サービス産業動向調査: サービス業の売上高や事業所数などを、月次で調べる総務省の統計。
- ジニ係数: 所得などの不平等の度合いを0から1の値で表す指標。1に近いほど格差が大きい。
- マネーストック: 企業や家計などが保有する通貨の総量。預金や現金などの合計で、景気や物価の背景を見る。
- 交易条件: 輸出品の価格と輸入品の価格の比率。輸出1単位で何単位の輸入品が買えるかを示す。
- 企業物価指数(CGPI): 企業間で取引される商品の価格を指数化したもの。消費者物価に先行しやすいとされる。
- 全要素生産性(TFP): 労働や資本の投入量では説明できない生産の伸び。技術進歩や効率化を反映するとされる。
- 合計特殊出生率: 1人の女性が一生の間に産むと見込まれる子どもの平均数。
- 名目と実質: 名目は物価変動を含む額面の値、実質は物価の影響を取り除いた値。
- 完全失業率: 労働力人口のうち、仕事を探しているが就けていない人の割合。
- 寄与度: 全体の増減率のうち、各項目がどれだけ押し上げ・押し下げたかを示す値。
- 日銀短観: 日本銀行が企業に景況感などを尋ねる四半期ごとの調査。正式名称は全国企業短期経済観測調査。
- 景気ウォッチャー調査: タクシー運転手や小売店主など現場に近い人に景況感を聞く、内閣府の月次調査。
- 景気動向指数: 生産や雇用など複数の指標を合成し、景気の現状や方向性を示す統計。
- 有効求人倍率: ハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す指標。
- 機械受注統計: 企業が機械メーカーに出した設備用機械の受注額をまとめた統計。設備投資の先行指標。
- 法人企業統計: 財務省が企業の売上、利益、設備投資、内部留保などを調べる四半期統計。
- 消費者態度指数: 消費者に暮らし向きなどの見通しを尋ね、消費者の心理状態を数値化した指標。
- 消費者物価指数(CPI): 家計が購入する商品・サービスの価格の平均的な変動を示す指数。物価の代表的な指標。
- 生産年齢人口: 15歳から64歳の人口。働き手の中心となる世代。
- 相対的貧困率: 等価可処分所得が中央値の半分に満たない人の割合。生活水準の格差を表す指標。
- 鉱工業生産指数: 工場などの生産活動の水準を指数化した統計。製造業の動向を見る代表的な指標。
財政・政策
- クラウディングアウト: 政府の借入増で金利が上がり、民間の投資や借入が押しのけられる現象。
- ソブリンリスク: 国が債務を返済できなくなる危険。国債の価格や金利、為替に影響する。
- プライマリーバランス(基礎的財政収支): 借入を除く歳入と、過去の借金の元利払いを除く歳出との差。政策経費を税収等で賄えているかを示す。
- 一般会計と特別会計: 一般会計は国の基本的な予算、特別会計は特定の事業のために別に管理する会計。
- 乗数効果: 政府支出などの最初の増加が、所得と消費の連鎖を通じて、より大きなGDP増につながる効果。
- 債務残高対GDP比: 政府の債務残高を、国の経済規模であるGDPと比べた比率。
- 国の借金(債務残高): 国債や借入金など、政府が返済すべき債務の総額。
- 国債: 国が資金を借りるために発行する債券。満期まで利子を受け取り、満期に元本が返る。
- 所得再分配: 税や社会保障を通じて、高所得者から低所得者へ所得を移し、格差を縮める仕組み。
- 所得税: 個人の所得にかかる税。所得が増えるほど税率が上がる累進課税の仕組みをとる。
- 歳入と歳出: 歳入は政府の1年間の収入、歳出は支出。予算はこれらの見積もりとして組まれる。
- 法人税: 企業の利益にかかる税。景気や企業業績により税収が大きく変動しやすい。
- 消費税: 商品やサービスの消費に広くかかる税。最終的には消費者が負担する間接税。
- 累進課税: 所得が高くなるほど、適用される税率が段階的に高くなる課税方式。
- 経済安全保障: 重要な物資や技術の供給を確保し、経済面から国の安全を守ろうとする考え方。
- 補正予算: 年度の途中で、災害対応や景気対策などのために追加・変更する予算。
- 財政政策: 政府が歳出や税制を調整して景気や物価、所得分配に働きかける政策。
- 財政赤字: 政府の歳出が税収などの歳入を上回り、不足分を国債などで賄っている状態。
- 逆進性: 所得が低い人ほど、所得に占める税負担の割合が重くなる性質。
資産運用・投資
- 72の法則: お金が2倍になるまでの年数を、72を年利率(%)で割って概算する簡単な目安です。たとえば年利6%なら、約12年とみなします。
- CAPM(資本資産評価モデル): 資産の期待収益率を、安全資産の利回りと、市場全体の動きへの感応度であるベータで説明する理論モデル。資本コストの推計などに使われる。
- ESG投資: 財務情報だけでなく、環境・社会・企業統治への取り組みも考慮して投資先を選ぶ手法。中長期の企業価値やリスクを見極める狙いがある。
- iDeCo(個人型確定拠出年金): 自分で掛金を出し、運用商品も自分で選んで老後資金をつくる私的年金制度。掛金や運用益に税制上の優遇があるが、原則として60歳まで引き出せない。
- REIT(不動産投資信託): 多くの投資家から集めた資金でオフィスや商業施設などの不動産を保有し、賃料などの収益を分配する商品。株式のように取引所で売買できるものが多い。
- アクティブ運用: 運用担当者が、調査や分析をもとに銘柄を選び、市場平均などの指標を上回る成果を目指す運用の方法です。費用は高めの傾向があります。
- アセットアロケーション: 株式、債券、現金、不動産など、性質の異なる資産に、資金をどのような比率で振り分けるかを決めることです。資産配分とも呼ばれます。
- アセットアロケーション(資産配分): 株式、債券、不動産、現金など、どの資産にどのくらいの割合で資金を振り分けるかを決めること。長期の運用成績に大きく影響するとされる。
- アルファ(超過収益): ファンドの収益のうち、市場全体の動き(ベータ)で説明できる分を取り除いたあとに残る、運用者の腕前によるとされる上乗せ分の収益。
- インパクト投資: 財務上の収益に加えて、環境や社会の課題の解決につながる成果を意図し、その成果を測定して公表することをめざす投資の手法のこと。
- インフレ連動債: 元本や利払いの額が、消費者物価などの物価指数にあわせて増減する債券。物価上昇による購買力の目減りを抑える目的で設計されている。
- オルタナティブ投資: 株式や債券などの伝統的な資産以外を対象とする投資の総称。ヘッジファンド、未公開株、不動産、インフラ、商品などが含まれる。
- クーポン: 債券の発行者が、保有者に定期的に支払う利息のことです。額面に対する年率で表され、クーポンレートや表面利率とも呼ばれます。
- グロース株: 売上や利益が今後大きく伸びると期待される企業の株式です。成長のための投資を優先するため、配当が比較的小さいことが多いとされます。
- コモディティ: 原油、金属、穀物などの、品質が均一で取引所で売買される原材料や一次産品。投資の対象としては、先物やETFなどを通じて扱われることが多い。
- シャープ・レシオ: リスク1単位あたりに、どれだけの超過収益が得られたかを表す指標です。値が大きいほど、リスクに見合った成果を上げたとみなされます。
- ソブリン・ウェルス・ファンド: 国が外貨準備や資源の収入などを元手に、株式や不動産など幅広い資産へ長期で投資する公的な投資ファンド。国富ファンドとも呼ばれる。
- ターゲット・デート・ファンド: 退職など目標とする時期に向けて、株式などの値動きの大きい資産の比率を、時間とともに自動的に下げていく仕組みを持つ投資信託。
- ディフェンシブ株: 景気の良し悪しに、業績が左右されにくい業種の株式です。食品、医薬品、電力・ガス、通信などが、その代表的な例としてあげられます。
- テールリスク: 発生する確率は低いものの、起きたときの損失が非常に大きくなる事象のこと。分布の端(テール)に位置する極端な出来事を指す。
- デュレーション: 金利が変わったとき、債券の価格がどれくらい動くかを表す指標です。単位は年で、数字が大きい債券ほど、金利変動の影響を強く受けます。
- ドルコスト平均法: 毎月など定期的に、同じ金額ずつ同じ商品を買い続ける方法です。価格が高いときは少なく、安いときは多くの量を買うことになります。
- パッシブ運用: 日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動する成果を目指す運用の方法です。銘柄は選ばず、指数の構成にあわせて投資するのが特徴です。
- バリュー・アット・リスク(VaR): 一定の期間と確率のもとで、保有資産に生じうる損失額の目安を示すリスク指標。金融機関などの市場リスクの管理に広く使われる。
- バリュー株(割安株): 企業の利益や資産に比べて、株価が低めだと見られる株式です。PERやPBRが低いことなどが目安にされますが、判断は人により分かれます。
- ファンド・オブ・ファンズ: 株式や債券などに直接投資するのではなく、複数の他のファンドに投資するファンド。分散を手軽に図れる一方、費用が二重にかかる点に注意が必要。
- ベータ: 市場全体が動いたとき、個別の株式やファンドがどの程度動く傾向があるかを示す数値です。1なら市場と同程度の動きを表します。
- ベータ値: 株式やファンドの値動きが、市場全体の値動きにどれだけ敏感に連動するかを示す数値。1なら市場と同程度、1より大きければ値動きが大きい。
- ヘッジファンド: 限られた投資家から資金を集め、空売りや借入などを使って幅広い手法で運用する私募ファンド。相場の方向に頼らない収益をめざすものが多い。
- ベンチマーク: 運用の成績を測る物差しにする指数のことです。日本株ならTOPIXなどが使われ、ファンドの運用目標や比較の基準になります。
- ポートフォリオ: 保有している株式、債券、投資信託、現金などの資産全体の組み合わせのことです。個別ではなく、全体で値動きやリスクを見ます。
- ポートフォリオ理論: 複数の資産を組み合わせることで、同じ期待収益のもとでも全体のリスクを抑えられると説く、現代的な資産運用の基礎になる理論。
- リスク・プレミアム: 価格変動や損失の可能性というリスクを引き受ける見返りとして、投資家が安全な資産より余分に求める期待収益の上乗せ分のこと。
- リバランス: 値動きでずれてしまった資産の配分比率を、もとの比率に戻すように調整することです。売買や、新しい資金の振り分けで行います。
- 仕組債: デリバティブを組み込んで、利率や償還の条件を設計した債券。高い利率が示されることがあるが、条件しだいで元本が大きく減る場合がある。
- 信託報酬: 投資信託を持っている間、運用会社などに払い続ける費用です。純資産に対する年率で示され、日々の基準価額から差し引かれます。
- 信託財産留保額: 投資信託を解約するときに、解約する人が負担して、ファンドの資産に残すお金です。残る投資家との公平を保つためのものとされます。
- 償還: 債券の満期などに、発行者が額面金額を投資家に返すことです。投資信託では、運用を終了して残った資産を投資家に返す意味でも使います。
- 優先株: 配当や会社の清算時の分配で、普通の株式より先に受け取れる権利をもつ株式です。その代わり議決権が制限される場合が多くあります。
- 分配金: 投資信託が、運用で得た収益などの中から投資家に支払うお金です。普通分配金と、元本の払戻しにあたる分(特別分配金)があります。
- 効率的市場仮説: 株式市場の価格は、入手できる情報を素早く織り込んでいるため、情報を使って市場平均を継続的に上回るのは難しい、とする考え方です。
- 単元株: 株式を売買するときの最小単位で、日本の上場株式は原則として100株を1単元とします。議決権も、1単元ごとに1個と数えられます。
- 単利: 元本だけに対して利息を計算する方法です。受け取った利息には、さらに利息がつかない点が特徴で、複利と対比して使われる言葉です。
- 基準価額: 投資信託の1口あたりの値段にあたる数字です。ファンドの純資産総額を口数で割って、取引のある日ごとに算出され、運用会社が公表します。
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF): 公的年金の積立金を運用する独立行政法人。国内外の株式と債券に分散し、数十年単位の長期で運用する世界でも有数の大規模な年金運用機関とされる。
- 景気敏感株: 景気の波に合わせて、業績が大きく上下しやすい業種の株式です。鉄鋼、化学、機械、海運などが、その代表的な例としてあげられます。
- 最大ドローダウン: ある期間のなかで、資産の価値が最も高い点から、その後の最も低い点まで、最大でどれだけ下落したかを割合で示す指標です。損失の大きさの目安になります。
- 株式分割: 1株を2株や5株など複数の株に分けることです。株数が増える分、1株あたりの値段は下がりますが、企業の価値そのものは変わりません。
- 権利確定日: 配当や株主優待を受け取る株主を確定するための、基準となる日です。この日に株主名簿に載っている株主が、権利を受け取れる仕組みです。
- 相関係数: 2つの値動きがどれくらい連動しているかを、マイナス1からプラス1の数値で表した指標です。分散投資の効果を考える目安になります。
- 確定拠出年金: 拠出する掛金の額をあらかじめ決め、将来の年金額は運用の成果しだいで変わる年金制度。企業型と個人型があり、運用の責任は加入者が負う。
- 確定給付年金: 将来受け取る年金の給付額や計算方法をあらかじめ約束する企業年金。運用が不調で積立金が不足した場合は、主に企業側が穴埋めを求められる。
- 複利: 得られた利息や収益を元本に加え、次の期間はその合計に対して利息がつく計算方法です。時間がたつほど、増え方が大きくなります。
- 配当: 企業が事業で得た利益の一部を、株主に現金などで分配することです。支払うかどうかや金額は、企業が業績と方針をふまえて決めます。
- 配当落ち: 配当を受け取る権利がなくなった後の、最初の取引日のことです。この日以降に株を買っても、その期の配当は受け取れません。株価も下がりやすい日です。
- 金(ゴールド)投資: 金の地金やコイン、金に連動するETFなどに投資すること。利息や配当は生まず、価格は世界の需給や金利、為替、地政学の動きなどで上下する。
- 額面: 債券の券面に記載されている金額のことです。満期に償還される金額であり、利息(クーポン)を計算するときの基準にもなる、重要な数字です。
金融・市場
- CDS(クレジット・デフォルト・スワップ): 債務者が返済できなくなった時の損失を補償する取引。保証料の水準は信用不安の目安になる。
- ETF(上場投資信託): 株価指数などに連動し、株式のように証券取引所で売買できる投資信託。
- IPO(新規株式公開): 未上場企業が株式を証券取引所に上場し、広く一般の投資家が売買できるようにすること。
- TOPIX(東証株価指数): 東証に上場する銘柄の時価総額をもとに算出される、市場全体を広く映す株価指数。
- アクティビスト: 株式を取得し、経営陣に増配・事業売却など株主価値向上の提案をする投資家。
- インデックスファンド: 株価指数などの動きに連動することを目指して運用される投資信託。
- オプション取引: 将来のある期日に、決まった価格で売買する「権利」を取引する仕組み。
- システミックリスク: 一部の金融機関や市場の問題が連鎖的に広がり、金融システム全体が危うくなる危険。
- デフォルト: 借金や債券の元本・利子を、約束どおりに支払えなくなる債務不履行の状態。
- デリバティブ: 株や債券、為替などの価格から派生して決まる金融商品。先物やオプションなどがある。
- バブル: 資産の価格が実体の価値から離れ、投機で大きく膨らんだ状態。
- プライベートエクイティ(PE): 未上場株式や上場企業を非公開化して投資し、企業価値を高めて売却を目指す投資ファンド。
- フラッシュクラッシュ: 市場価格が短時間で急落し、直後に元に戻るような異常な値動き。
- ヘッジ: 将来の価格や為替の変動による損失を、反対方向の取引などで抑える手法。
- ベンチャーキャピタル(VC): 成長が見込まれる未上場企業に出資し、上場や売却で利益を得ようとする投資会社。
- ボラティリティ: 価格の変動の大きさ。値動きが激しいほどボラティリティが高く、不確実性も大きい。
- リスクオフ: 投資家が危険を避け、株式などから安全な資産へ資金を移す市場の動き。
- レバレッジ: 借入や派生商品を使い、元手より大きな金額を動かすこと。損益が拡大する。
- 信用スプレッド: 社債など信用力の低い債券の利回りと、国債の利回りとの差。倒産リスクへの上乗せ分。
- 信用取引: 証券会社に担保を預け、資金や株を借りて自己資金より大きな売買をする取引。
- 債券: 国や企業が資金を借りる際に発行する証券。利子と満期の元本返済を約束する。
- 先物取引: 将来の決まった日に、決まった価格で売買することを今約束する取引。
- 分散投資: 複数の資産や地域、銘柄に投資を分け、特定の値動きによる損失の影響を和らげる考え方。
- 利回り: 投資した金額に対し、1年あたりどれだけの収益が得られるかを示す割合。債券や株式配当で使う。
- 取り付け騒ぎ: 金融機関の経営不安から、預金者が一斉に預金を引き出そうとして殺到する現象。
- 増資: 企業が新株を発行して資金を調達すること。既存株主の持ち分は薄まる。
- 安全資産: 経済不安時にも価値が比較的保たれやすいとされる資産。国債や金などが挙げられる。
- 投資信託: 多くの投資家から集めた資金を専門家が運用し、成果を出資額に応じて分配する金融商品。
- 新NISA: 少額投資非課税制度の拡充版。一定の枠内で得た運用益や配当が非課税になる。
- 日経平均株価: 東証プライム市場の主要225銘柄の株価をもとに算出される株価指数。
- 株価収益率(PER): 株価が1株あたり利益の何倍かを示す指標。割安・割高の目安として使われる。
- 株価指数: 多数の株式の値動きをまとめて、市場全体の動きを数値で示した指標。
- 株価純資産倍率(PBR): 株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標。1倍が一つの目安とされる。
- 株式市場の上場区分: 東京証券取引所が定める市場の区分。企業の規模や基準によりプライム・スタンダード・グロースに分かれる。
- 格付け: 民間の格付け会社が、債券の発行者などの返済能力を記号で評価したもの。
- 流動性: 資産を、価格を大きく変えずにすぐ現金化できる度合い。市場では取引のしやすさを指す。
- 空売り: 株などを借りて先に売り、後で買い戻して差額を得る取引。値下がりで利益が出る。
- 証拠金: 先物やFXなどの取引で、損失に備えて預ける担保金。取引額より少ない額で済む。
- 配当利回り: 株価に対する年間配当金の割合。株を持つことで得られる配当収入の目安。
金融政策・金利
- イールドカーブ: 満期の違う債券の利回りを並べた曲線。短期から長期までの金利の形を表す。
- イールドカーブ・コントロール(YCC): 中央銀行が短期と長期の金利を同時に目標水準へ誘導する政策。長期金利の上限などを設ける。
- オーバーシュート型コミットメント: 物価上昇率の実績が目標を安定的に超えるまで、金融緩和を続けると約束する方針。
- コールレート: 金融機関どうしが短期の資金を貸し借りする市場の金利。翌日物が代表的。
- フォワードガイダンス: 中央銀行が将来の金融政策の方向性を事前に示し、市場の予想に働きかける手法。
- マイナス金利政策: 金融機関が中央銀行に預ける資金の一部に、手数料にあたるマイナスの金利をつける政策。
- マネタリーベース: 中央銀行が直接供給するお金。流通している現金と、金融機関の中央銀行預金の合計。
- 中立金利: 景気を加速も減速もさせない中立的な水準の金利。直接観測できず推計に頼る。
- 公定歩合: かつて中央銀行が民間銀行に貸し出す際の基準金利。現在は基準割引率および基準貸付利率と呼ばれる。
- 実質金利: 名目金利から予想される物価上昇率を引いた金利。実際の借入コストや運用の実質的な利益を表す。
- 政策金利: 中央銀行が金融政策の目安として操作する短期金利。市場や預金・貸出の金利全体に波及する。
- 日銀当座預金: 金融機関が日本銀行に持つ預金口座。銀行間の決済や準備預金の積み立てに使われる。
- 最後の貸し手: 金融危機の際、資金繰りに困った金融機関に中央銀行が最終的に資金を貸し出す役割。
- 物価目標: 中央銀行が物価の上昇率について掲げる政策の目標。多くの国で2%程度が採用されている。
- 短期金利: 返済期間が1年未満程度の資金にかかる金利。政策金利の影響を直接受けやすい。
- 逆イールド: 短期金利が長期金利より高くなる状態。通常とは逆の形の利回り曲線。
- 量的引き締め(QT): 中央銀行が保有する国債などを減らし、市場の資金量を絞る政策。量的緩和の逆の動き。
- 量的緩和(QE): 中央銀行が国債などを大量に買い入れ、市場に資金を供給して金利を下げる政策。
- 長期金利: 一般に満期10年の国債の利回りを指す、返済期間の長い資金の金利。住宅ローンなどの基準になる。
銀行・保険・決済
- QRコード決済: 店頭やアプリに表示されたQRコードを、スマートフォンで読み取って支払う方法です。スマホ決済の一つとして、広く使われています。
- SWIFT(国際銀行間通信協会): 世界の金融機関が、送金などの指示を安全にやり取りするためのメッセージの仕組みと、それを運営する組織です。国際送金を支える通信網です。
- キャッシュレス決済: 現金を使わず、カード、電子マネー、スマートフォンなどで支払う方法の総称です。普及の度合いは、国や年齢層によって差があります。
- クレジットカード: 代金をカード会社が立て替え、利用者があとでまとめて支払うカードです。審査を通った人に発行され、後払いで買い物ができます。
- コルレス銀行: 海外の送金や外貨の取引で、銀行が提携し、お互いに口座を持って代わりに決済を行う相手の銀行です。国際送金の仲立ちをします。
- シンジケートローン: 複数の金融機関が、同じ条件で資金を出し合い、一つの借り手に貸す融資の方法です。「協調融資」とも呼ばれ、大型の資金調達で使われます。
- ソルベンシー・マージン比率: 保険会社が、通常の予想を超えるリスクに対して、どれだけ支払い余力を持っているかを示す指標です。保険会社の健全性を見る目安です。
- デビットカード: 買い物をすると、すぐに銀行口座から代金が引き落とされるカードです。預金の範囲内で使え、使いすぎを防ぎやすいのが特徴です。
- ノンバンク: 預金を受け入れず、自ら調達した資金で貸付やカード業務などを行う金融会社です。消費者金融、信販会社、リース会社などが含まれます。
- フラット35: 住宅金融支援機構と民間金融機関が提供する、返済期間中の金利が変わらない長期固定金利の住宅ローンです。公的な性格を持ちます。
- メガバンク: 三菱UFJ、三井住友、みずほの3グループを指す、国内最大級の銀行グループの呼び名です。海外にも広く事業を展開しています。
- ゆうちょ銀行: 日本郵政グループの銀行で、全国の郵便局を窓口に貯金や送金を扱います。個人の貯金を数多く集めていることが、大きな特徴です。
- リボ払い: 毎月の支払額を一定にして、残高に手数料がかかり続けるクレジットカードの支払い方法です。長く続くと総額が膨らむことがあります。
- 不良債権: 貸した資金の回収が難しくなった、または元本や利息の支払いが滞っている貸出のことです。銀行の資産の質を測る代表的な指標です。
- 与信: 相手を信用して、お金を貸したり、代金の支払いを後にしたりすることです。銀行の貸出に限らず、信用を与える取引全般を指します。
- 住宅ローンの変動金利と固定金利: 住宅ローンの金利には、市場の動きに応じて見直される変動型と、一定期間変わらない固定型があります。それぞれ長所と短所があります。
- 保険料と保険金: 保険料は契約者が保険会社に払うお金、保険金は事故などのときに受け取るお金です。名前が似ていて、混同されやすい二つの言葉です。
- 信用保証協会: 中小企業が金融機関から借りるとき、保証人の役割を果たす公的な機関です。全国の各地に設けられています。融資を受けやすくする役割です。
- 信用情報機関: 個人の借り入れやカードの支払いの履歴を集めて、金融機関や信販会社に提供する機関です。審査のときの判断材料として使われます。
- 信用金庫: 会員の出資で成り立つ協同組織の金融機関です。営業地域が限られ、地域の中小企業や住民への融資を担います。利益の追求だけを目的としません。
- 全銀システム: 銀行どうしの振込の情報をやり取りし、受け払いの差額を計算する仕組みです。国内の銀行振込を支える、重要な決済のインフラです。
- 再保険: 保険会社が引き受けた保険のリスクの一部を、ほかの保険会社に引き受けてもらう仕組みです。「保険会社のための保険」といわれます。
- 地方銀行: 特定の都道府県を中心に営業する銀行です。地域の企業や住民への融資を担い、「地銀」と略されます。人口減少の影響を受けやすい存在です。
- 地震保険: 地震、噴火、津波による建物や家財の損害を補う保険です。火災保険とセットで加入し、被災後の生活の再建を助ける仕組みで、単独では入れません。
- 手形と小切手: 代金の支払いに使う有価証券です。手形は期日に支払い、小切手は銀行に持ち込めばすぐに支払われます。企業間の取引で使われてきました。
- 担保と保証: 貸したお金が返ってこないときに備えて、回収の手段をあらかじめ確保する仕組みです。物で備えるのが担保、人で備えるのが保証です。
- 損害保険: 火災、自動車事故、賠償責任など、偶然の事故で生じた損害を補う保険です。「損保」と略され、家計や企業の活動を支えています。
- 日銀ネット: 日本銀行が運営する、銀行間の資金の最終的なやり取りや、国債の受け渡しを行うシステムです。金融取引の最終的な決済の場です。
- 生命保険: 人が亡くなったときや病気になったときなどに、保険金が支払われる保険です。万一の備えとして、多くの家庭や企業で使われています。
- 貸倒引当金: 貸したお金が返ってこない場合に備え、あらかじめ費用として積み立てておく会計上の備えです。銀行決算を読むうえで重要な項目です。
- 電子マネー: 現金の代わりに、カードやスマートフォンに入れたお金の価値で支払う仕組みです。多くは前払いで使い、少額の支払いに向いています。
- 預貸率: 銀行が集めた預金のうち、どれだけを貸し出しに回しているかを示す比率です。貸出金を預金で割って求め、資金の使い道を表します。
- 預貸金利ざや: 銀行が貸出で得る金利と、預金者に払う金利との差です。銀行の本業の収益のもとになる、基本的な指標のひとつとされています。このため決算でも注目されます。