リサーチ・ダイジェスト

用語集 > 経済学の基礎

ヒステリシス(履歴効果)とは?

英語:Hysteresis

別名:履歴効果, 履歴現象

意味

景気後退などの一時的なショックの影響が、ショックが去ったあとも残り、経済の水準が元に戻らなくなる現象のことです。失業の長期化で議論されます。

くわしい解説

ヒステリシスは、もともと物理学で、過去の状態が現在の状態に影響を残す現象を指す言葉です。経済学では、1980年代にオリビエ・ブランシャールとローレンス・サマーズが、欧州の失業問題を説明するために取り入れました。不況で失業が長引くと、働く人の技能が衰えたり、働く意欲が下がったり、企業が採用を控えたりして、失業が構造的に高止まりします。そのため、景気が回復しても、元の失業率には戻りにくくなります。

この考え方は、自然失業率が固定のものではなく、過去の景気に左右されることを示唆します。また、不況の影響が長引くなら、早く景気を支える政策の価値が高まる、という議論にもつながります。ただし、どの程度の影響が、どれくらい続くのかについては、研究によって結論が異なり、確定した見方はありません。

景気や雇用に関する記事で、長期失業者の増加や設備投資の低迷が指摘されたときは、これが一時的なものか、長期的な生産能力に影響を残すものかを見ましょう。後者なら、潜在成長率の低下にもつながり得ます。

例・ヒント

例:不況で若者が長く職に就けなかった場合、職業経験の不足から、景気が回復したあとも不安定な雇用にとどまり、生涯の所得に影響が残る可能性があります。影響の大きさは、政策の対応によっても変わります。

よくある誤解・注意点

ヒステリシスは、不況が起これば必ず失業が固定化するという意味ではありません。制度や政策の対応によって、影響の大きさは変わります。また、この仮説が現実にどの程度成り立つかは、研究が続いています。

関連する用語

※ 解説はAIが作成しています。誤りや古い内容を含む可能性があります。正確な内容は公的機関・原文でご確認ください。投資などの判断は、ご自身の責任で行ってください。

用語集の一覧へ 最新のレポート要約を見る →